燃費マジック
待望のHVミニバンとして登場した新型ノアとヴォクシー(ボクシーじゃないらいしい)。
エンジンとHV、2種類の動力に加え、ボディもノーマルとエアロ()の2種類が設定されており、普通のお父さんから流行り物大好き野郎、そしてチンピラ気取りの基地害までと、略全てのミニバンオーナーをカバーするグレード構成となっております。
そんな雑誌記事のグレード一覧と価格を見て気がついた。
エアロ(空気抵抗増大もエアロと称するらしい)グレードにはHVの設定が無いのだ。
価格的には標準ボデイのGも、エアロ(空力的にはデメリットのみでもエアロ呼んじゃ素晴らしさ)のSiも260万円と同価格と、コスト的にはHVを設定しない理由は見当たらない。
雑誌記事に因るとエアロ(まぁ今日はこのくらいで勘弁してやろう)グレードの方が30kg重い為、走り(を求めちゃう人が居るのか?)と燃費の両面から考えて設定しなかったそうだ。
ん?
本当か?
間違い無く裏があるに違いないと、気になる点を調べてみた。
車重は以下の通り。
G・1570kg
Si・1600kg
HV G・1620kg
HVになると50kg増加となり、仮にHV Siとなると1650kgとなる訳だ。
で、JC08モードの車重区分を調べてみると、1650kgを境にクラス変更となっている。
ぁぁ、やはりこれか。
燃費測定時には車重によって等価慣性重量(シャシーダイナモに取り付けるフライホイールの重量)が変わって来る。
ノアの重量でいうと『1531~1650kg』当て嵌まる訳で、全グレード共同一のフライホイール設定で測定される訳だが、車重に120kgの差がありながら、同一の重量負荷が掛かるということは、重量が重い程測定値が有利に働く(カタログ燃費と実燃費の差が大きくなり易い)ということになる。
ちなみに↑のインチキ企業努力は、車重を1080kgに抑えたフィットHVの低燃費自慢グレードや、燃料タンクを小さくしたアルトエコでも使われている手だったりする。
で、問題のノアはというと、仮にSiをHV化したとしても1600kg+HV増加分50kg=1650kgに収まる訳で特に問題が無い様に思える。
が、世の中にはメーカーOPTなる装備があり、こいつに拠り増える重量はそのまま車両重量に加算されるのだ。
ノアのOPTを見ると
サイド&カーテンエアバック・10kg
リアオートA/C・10kg
ナビ・10kg
ムーンルーフ・20kg
となっており、Si HV(仮)に、これ等を一つでも着けると、『1651~1760kg』のクラスに格上げされてしまい、カタログ燃費が不利になる訳だ。
もちろん、1クラス上で計測した所で、同車はもちろん他社製ミニバンに比べれば遙かに良い数字が出て来るのだろうが、同一モデルで燃費が異なることを避けたに違いない。
ぃゃ面白い。
もちろんカタログ燃費を無視したり、余計なメーカーOPTを廃すれば解決してしまうのだろうが、燃費が売りのHVがグレードに拠って燃費に差があったり、サイドエアバックがOPTで選べないのは商品力的に不利になるのは間違いない。
ぃゃ車の仕様って結構奥深いのね。
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